症例集

短頭種ー鼻ぺちゃさんは注意!ー

短頭種は特徴的な骨格ゆえに頭蓋部におこる異常が多発します。それが呼吸器系の異常、消化器系の異常、顔面皮膚の異常として現れます。

具体的な疾患としては、鼻腔狭窄症、軟口蓋過長症、気管低形成、角膜炎などさまざまです。短頭種を飼っておられる飼い主様は思い当たりませんか?

いびきが大きい(もしくは大きくなってきた)、安静にしているのによく開口している、ときにゼーゼーあるいはハッハッと音が聞こえるなど。

このようなことがひどくみられ場合、若いうちにお鼻の穴(入口)を広げる、のびすぎた軟口蓋を切除するといったことが必要になるかもしれません。

最近よくみかける「胆泥症・胆嚢粘液嚢腫」

胆嚢とは肝臓で作られる胆汁(食物の脂肪分解を助ける)を貯めておくところで、胆汁は液体状態が正常です。胆泥症・胆嚢粘液嚢腫とは、その胆汁が泥状やゼリー状に変化してしまう病気です。

たいていの場合、無症状の事が多いので健康診断や別の病気のための検査で見つかることが多いです。この泥状・ゼリー状の胆汁が、胆汁の通り道(総胆管)で詰まってしまうと大問題に・・・

食欲不振・元気消失・黄疸などの症状があらわれたり、場合によっては破裂してしまうこともあります。症状が重篤な場合や破裂してしまったときは、外科的な治療が必要となりますが無症状の場合は内科的な治療となります。
中高齢の犬ちゃんに多いので、健康診断ついでに胆嚢・胆汁が今どんな状態が確認してみるのも良いかもしれません。

前十字靭帯の断裂について

膝関節の中で、大腿骨(膝上の骨)と脛骨(ひざ下の骨)をつなぐ靭帯に十字靭帯があります。大腿骨の尾側(後方)と脛骨の頭側(前方)つなぐのが、前十字靭帯です。

当院では、この前十字靭帯を部分的または完全に断裂したワンちゃんの手術を行っています。前十字靭帯の断裂は、外傷(転落や後ろ足を踏み外したり…)、関節炎、老化、ホルモン疾患関連、基礎疾患に膝蓋骨脱臼があるなど、さまざまな要因でおこります。

対応は、ほとんどのケースで手術となりますが、手術法も、いくつかあり、飼い主様とよくよく相談して決めさせていただいています。

その手術法の一つにTTA(脛骨粗面前進化術)という方法があり、当院でも実施しています。この手術は簡単に言うと、骨を切って、特殊なプレートなどを使い前十字靭帯の必要のない脚の形に整形する方法です。

前十字靭帯の断裂で問題となるのが、断裂後の半月板の損傷と、進行性の関節炎です。関節炎は、手術しない場合はもちろん、手術をしてもある程度は起こります。その中で、もっとも関節炎の進行が少ない手術法の一つが、TTAと言われています。

当院で手術したワンちゃんの術前、術後のレントゲン写真を掲載します。このワンちゃんは、術前に、しばらくの間、脚を地面につきにくそうに歩いていましたが、手術後2週間程度で、ほぼ普通に歩いて、時折走っているそうです。(手術した者としましては、術後、最低6週間は安静にしてほしいのですが…)

ご質問等ございましたら、お気軽にご相談ください。

リンパ腫ージャックラッセルテリア13歳ー

2週間前から、食欲不振・嘔吐。超音波検査にて、肝臓全葉に混合エコー性の腫瘤を多数認めた。肝臓の針生検で、リンパ腫と診断。

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再発性上皮びらん症

再発性上皮びらん症とは角膜上皮の治癒過程の異常により起こる、治りにくい角膜疾患の1つです。

中年齢以降のイヌで1~2週間以上角膜上皮びらんの治療を行っていても改善がみられない場合、本疾患を疑います。また別名ボクサー潰瘍などとも呼ばれボクサーをはじめコーギーやフレンチブルドッグなど遺伝的要因が確認されている犬種もいます。

治療法としては剥離し、遊離した角膜上皮の切除(デブリードマン)を行います。治癒過程を診ながら何度かデブリードマンを行っていきます。それでも反応が悪い場合は細い針を用いて、あえて角膜を傷つける格子状切開を行います。

デブリードマンにより角膜上皮は再生し、治癒することがほとんどです。しかし再発をする場合もあるので十分に注意が必要となってくるでしょう。